AbFlex® リコンビナント抗体

高い特異性と再現性を兼ね備えた抗体

AbFlex抗体は、特定のDNA配列を用いて作出された遺伝子組み換え抗体(rAb)であるため、高い特異性と再現性を兼ね備えています。AbFlexは様々な標識や精製法に柔軟に対応するだけでなく、各AbFlex抗体にはSortase認識モチーフ(LPXTG)が組み込まれているため、弊社のSortag-IT Labeling Kitsを用いれば蛍光物質や酵素基質(HRP、APなど)、ペプチド、DNA、薬剤あるいはその他の標識物質を、抗体の特定部位に再現性をもって共有結合させることができます。また、全てのAbFlex抗体には6xHisタグが付加されているためニッケルを用いた精製法に適合する他、ビオチンリガーゼであるBirAを用いて酵素的にビオチン化するためのタグ配列も組み込まれています。

AbFlex®リコンビナント抗体(rAb)の利点

  • さまざまな標識・精製法に柔軟に対応
  • ロット間で一貫した再現性
  • 感度と特異性の高い抗体
  • 信頼性の高い長期的な供給
  • アニマルフリーの製造法
 
Name Isotype Reactivity Appl. Format Cat No. Price  
AbFlex® 5-methylcytosine antibody (rAb) IgG2a Not Species Specific DB 100 µg 91187 ¥67,000 Buy
10 µg 91188 ¥19,000 Buy
AbFlex® N6-Methyladenosine (m6A) antibody (rAb) IgG2a Human, Mouse, Not Species Specific DB, IP 100 µg 91261 ¥67,000 Buy
10 µg 91262 ¥19,000 Buy
AbFlex® Ago 1/2/3 antibody (rAb) IgG2a Human IP 100 µg 91217 ¥67,000 Buy
10 µg 91218 ¥19,000 Buy
AbFlex® AM-Tag antibody (rAb) IgG2a Not Species Specific ChIP, ELISA, WB 100 µg 91111 ¥67,000 Buy
10 µg 91112 ¥19,000 Buy
AbFlex® ATM phospho Ser1981 antibody (rAb) IgG2a Human, Mouse DB, WB 100 µg 91207 ¥67,000 Buy
10 µg 91208 ¥19,000 Buy
AbFlex® Bcl6 antibody (rAb) IgG2a Human WB 100 µg 91287 ¥67,000 Buy
10 µg 91288 ¥19,000 Buy
AbFlex® BMI-1 antibody (rAb) IgG2a Human, Mouse ChIP, ChIP-Seq, WB 100 µg 91195 ¥67,000 Buy
10 µg 91196 ¥19,000 Buy
AbFlex® BRD4 antibody (rAb) IgG Human ChIP, ChIP-Seq, CUT&RUN 100 µg 91301 ¥67,000 Buy
10 µg 91302 ¥19,000 Buy
AbFlex® BRD9 antibody (rAb) IgG Human ChIP 100 µg 91413 ¥67,000 Buy
10 µg 91414 ¥19,000 Buy
AbFlex® BRD9 antibody (rAb) IgG Human WB 100 µg 91427 ¥67,000 Buy
10 µg 91428 ¥19,000 Buy

AbFlex抗体は、高い特異性と再現性を兼ね備えた抗体を製造するために、特定のDNA配列を用いて作出された遺伝子組み換え抗体(rAb)です。AbFlexのユニークな利点は、豊富な標識・精製のオプションです。各AbFlex抗体はSortase認識モチーフ(LPXTG)を有するため、Sortag-IT Labeling Kitsを用いることにより蛍光物質や酵素基質(HRP、APなど)、ペプチド、DNA、薬剤またはその他の標識物質を抗体の特性を維持したまま直接共有結合させることが可能です。また、全てのAbFlex抗体は6xHisタグを有するため、ニッケルを用いた精製法に適合する他、ビオチンリガーゼであるBirAを用いて酵素的にビオチン化するためのタグ配列も組み込まれています。

AbFlex labels

図1 . (A) AbFlexリコンビナント抗体設計の概略図。(B) Sortase A5酵素を用いた抗体標識の反応スキーム。(C) Sortag-IT標識システムで使用可能な標識。

AbFlex抗体は、重鎖の定常領域(Fc領域)末端部において特異的に標識されるため、抗原の認識など抗体の機能に対する干渉を受けません。このことは、抗体を標識するときに機能消失した抗体が生じることで起こるシグナル減弱を排除し、抗体の完全性を維持するために重要です。一方、一般に用いられる化学標識法は、抗体分子をランダムに標識します。このランダムな標識では抗原認識部位の阻害も起こるため、抗体失活の原因となります。また、化学標識法はFc領域にも結合して、プロテインAとの相互作用を妨害する可能性もあります。

AbFlex® directed labeling versus chemical labeling

AbFlex®の部位特異的な標識法と化学的な標識法における標識物質分布の違い

 

リコンビナント抗体が開発される以前は、ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体が使用されていました。ポリクローナル抗体は、複数の抗体の混合物であるため同一抗原の複数部位を認識します。これにより抗原に対する親和性は高くなりますが、ときに交差反応性が問題となる場合があります。モノクローナル抗体は、1種類のエピトープに結合する特定の抗体を産生するB細胞から得られる単一の抗体ですが、時間とともに産生細胞が失われたり、遺伝子の変異により産生される抗体が変化したりする場合があります。

遺伝子の喪失や変異、細胞株の変化により抗体の性質が経時的に変化したり、ロット間の違いを生じたりするおそれのあるモノクローナル抗体と異なり、リコンビナント抗体は高い一貫性を有します。なぜならば、リコンビナント抗体は異なるロットでも同一のDNA配列をもった免疫グロブリン重鎖および軽鎖から構成されるためです。これにより抗体の性能に関してバッチ間の再現性が得られ、異なるロット間の比較や再評価が不要となるため、実験系の構築において貴重な時間と労力を節約できます。

最適な性能を保証するため、各AbFlex抗体は特異性と感度について慎重にスクリーニングされています。弊社のビーズベースの結合アッセイにより、特異性の高い抗体を生じる重鎖と軽鎖の配列のみ選択されます。AbFlex抗体の直接標識法では、さまざまなアプリケーションにおいて元のモノクローナル抗体よりも高い感度を示す場合もあります。

AbFlexリコンビナント抗体のもう一つの利点は、それらがアニマルフリーで製造されることです。ポリクローナル抗体は、動物の免疫応答およびエピトープ特異性に依存しており、いずれも動物個体間および免疫処置の都度ごとに得られる結果が非常に多様です。また、ポリクローナル抗体の供給量は限られるため、長期的な抗体を用いたプロジェクトの実施や、時間を開けた実験あるいは異なる研究室間でデータの再現を得ることは困難となります。AbFlexリコンビナント抗体は完全長IgGを哺乳動物細胞系で発現させるため、再現性が保証され抗体供給も安定的です。さらに、抗体産生および維持に関連する倫理的あるいは動物愛護上の懸念も回避されます。

アクティブ・モティフのAbFlexリコンビナント抗体(rAb)のリストは“Products”タブをご覧ください。AbFlex抗体の部位特異的標識に関する情報はSortag-IT™ Labeling Kitsの一覧をご確認ください。