MethylCollector™ MBD Capture Kitの概要
アクティブ・モティフのMethylCollector™MBD Capture Kitは、限られた量の細胞または組織サンプルから、効率よくCpGメチル化DNAを分離するためのキットです。MethylCollectorを使うことで、複数の遺伝子座のメチル化状態を迅速にスクリーニングできるようになります。腫瘍組織または細胞の候補遺伝子のメチル化レベルを解析するなど、幅広いアプリケーションで利用できます。また、正常な細胞分化や老化など、DNAメチル化の変化を検出するためにも使用できます。
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MethylCollector MBD Capture Kitでは、Hisタグ付き組換えMBD2bタンパク質が、酵素消化または超音波処理によって調製されたCpGメチル化DNAフラグメントに特異的に結合します。これらのタンパク質-DNA複合体は、ニッケルでコーティングされた磁気ビーズで捕捉され、その後の洗浄ステップにより、メチル化がほとんどまたは全く無いフラグメントは除去されます (Unbound)。次に、メチル化されたDNAは、Proteinase K存在下でビーズから溶出されます (Eluted)。
MethylCollector MBD Capture法は、メチル化DNAの濃縮効率が高く、非常に高い特異性と増幅能力を持つPCRを合わせることにより、 170 cellsという少量の細胞 (約1 ng DNA) からも特定のゲノムDNA遺伝子座のメチル化状態を解析することができます。
MethylCollector MBD Capture Kitは研究用です。診断用途には使用できません。
MethylCollector™ MBD Capture Kitの特長
- 1 ng - 1 mg の断片化したDNAからのメチル化CpGの検出が可能
- 磁性ビーズを使って、3時間以内で完了
- ポジティブコントロールDNAとqPCRプライマーを使って実験操作を確認できる
- 高塩濃度、低塩濃度の条件で、対象領域の解析の最適化が可能
- 濃縮したDNAを用いて、領域毎のDNAメチル化の解析や、ゲノム全体のメチル化を解析可能
MethylCollector™ MBD Capture Kitの構成品
- His-MBD2b protein; Store at -80°C
- High Salt Binding Buffer; Store at -20°C
- Low Salt Binding Buffer; Store at -20°C
- Elution Buffer AM1; Store at -20°C
- Protease Inhibitor Cocktail; Store at -20°C
- Proteinase K; Store at -20°C
- Proteinase K Stop Solution; Store at -20°C
- Human, male genomic DNA, Mse I digested; Store at -20°C
- GAPDH PCR Primer Mix; Store at -20°C
- Xist PCR Primer Mix; Store at -20°C
- NBR2 PCR Primer Mix; Store at -20°C
- 10X PCR Buffer; Store at -20°C
- 10X PCR Loading Dye; Store at -20°C
- Magnetic Nickel Beads; Store at 4°C
- Glycogen; Store at -20°C
- Bar Magnet; Store at RT
- Mini Glue Dots; Store at RT
- 8-strip PCR tubes and caps; Store at RT
MethylCollector™ MBD Capture Kitを用いたデータ




図1:キット付属のコントロールPCRプライマーを使ったリアルタイムPCRの結果
MethylCollector MBD Capture Kitに含まれる、MseI により断片化されたmale genomic DNAを100 ng用いて、高塩濃度 (High Salt)、低塩濃度 (Low Salt) の条件で実験を行った。メチル化されている、もしくはメチル化されていないプロモーター領域について、濃縮されたDNA (Eluted)、または非結合画分 (Unbound) を用いて、リアルタイムPCRによって解析した。A) 高塩濃度の条件下でメチル化DNAの濃縮を行い、NBR2 PCR primer mixにより解析を行った。NBR2は、コントロールDNAではメチル化されているため、濃縮 (Eluted) されたフラクションでより増幅された。 B) 低塩濃度の条件下でメチル化DNAの濃縮を行い、Xist PCR primer mixにより解析を行った。Xistは、コントロールDNAではメチル化されているため、濃縮 (Eluted) されたフラクションでより増幅された。 C) 高塩濃度の条件下でメチル化DNAの濃縮を行い、GAPDH PCR primer mixにより解析を行った。GAPDHは、コントロールDNAではメチル化されていないため、濃縮 (Eluted) されたフラクションより非結合フラクション (Unbound) でより増幅された。D) 低塩濃度の条件下でメチル化DNAの濃縮を行い、GAPDH PCR primer mixにより解析を行った。GAPDHは、コントロールDNAではメチル化されていないため、非結合フラクション (Unbound) でより増幅された。



図2:MethylCollector MBD Capture Kitを使って、濃縮の程度を百分率で示した
MethylCollector MBD Capture Kitに含まれる、MseI により断片化されたmale genomic DNAを100 ng用いて、高塩濃度 (High Salt)、低塩濃度 (Low Salt) の条件で実験を行った。濃縮されたDNA (Eluted)、または非結合画分 (Unbound) を用いて、リアルタイムPCRによって解析した。最初に投入したinput DNAの量に対して濃縮され回収されたDNAの量を測定し、濃縮の程度を百分率 (%) で示した。
A) 高塩濃度条件下でのNBR2プロモーター領域の濃縮効果。B) 低塩濃度の条件下でのXistプロモーター領域の濃縮効果。C) 高塩濃度/低塩濃度の両条件下でのGAPDH プロモーター領域の濃縮効果。メチル化されたプロモーターを持つNBR2とXistでは、同じ領域でElutedでUnboundに対して10倍以上高くなった。一方メチル化されていないGAPDHのプロモーターの場合、ほとんどはUnboundフラクションに回収された。
MethylCollector™ MBD Capture Kitの関連資料